わたしの気づき

日々、気になったこと、感じたこと。

今年も楽しかった京都グラフィーの復習 その11

以下、パスポートを買わなければパスしようかなと思っていた作品群。

 

No.11 宮崎 いず美 「UP to ME」

まあまあ、楽しめたけれど、展示会場の空間を使ってまで体験するべきものでもなく、Tumblrで十分かなと感じた。毎年、ポップなタイプの作品がこの会場に展示されているんだけれど、去年のトイレットペーパーという作家のほうが空間全体でだんぜん楽しめた。

モカワなものがこの作家のコンセプトなのかなと思うんだけれど、この「キモカワ」というのも「カワイイ」と同じく、日本独特の感性で、ゆえに海外メディアにうけたんだろうなと思います。

 

No.12 小野 規 「COASTAL MOTIF」

震災後の東北三県の沿岸部に総事業費約1兆円、高さ10メートル以上、総延長400キロメートルにおよぶ防潮堤が建設されていっている様子を写したもの。私は震災以降、ずっと、支援に行かれているかたの報告をSNS上で見てきているので、周知の事実だったけれど、この写真で初めて知った人も多かったのではないだろうか。

一時は「緑の防潮堤」などの案もあったはずだけれど、大部分がこんなコンクリートの塊で美しい沿岸部が覆われることになったのは悲しい。結局、今の日本の政治のありかたは大手建設業者が儲かる図式しかないように思える。

 

No.13 森田 具海 「Sanrizuka -Then and Now-」

三里塚(成田空港建設問題)に関しては数年前の京都グラフィーで、三里塚をずっと追ってこられた年配のエクスヒビターのかたに直接、お話をうかがって以来、三里塚の映画も何本か見てきた。子供のころ、テレビで見た三里塚闘争の様子は、農民の人達が反対しているというより、過激派が空港建設を妨害していて怖いというイメージを植え付けるものばかりだったように思う。その年配のエクスヒビターのかたに出会えたおかげで、実際は違ったということが知れたのは本当にいい出会いだった。

 映画「三里塚イカロス」が京都シネマで上映されているとの告知も会場にあって、良い展示だったと思う。

 

No.14 中川 幸夫 「俎上の華」

好みが分かれる作品。私はあまり好きではないな。毒々しい作品が、この展覧会のために替えられた両足院の黒い畳に映えて、独特の空間を創っていた。

空間としては素晴らしかった。

 

No.15 K-NARF  「THE HATARAKIMONO PROJECT」

東京在住フランス人作家の作品。日本の労働者の制服は外国人から見ると興味深く、その「ハタラキモノ」たちの姿が標本のようにきっちり写真におさめられている。

前回の京都グラフィーでこの作家さんとは少し、お話したんだけれど、「ハタラキモノ」的なところの真逆に位置しているようなユニークな人だった。

この作家、K-NARF のインスタグラムはおもしろいのでフォローをオススメします。