わたしの気づき

日々、気になったこと、感じたこと。

今年も楽しかった京都グラフィーの復習 その10

No.10. ロミュアル・ハズメ「On the Road to Porto Novo」

アフリカの作家。写真家というよりも現代美術のアーティスト。今も故郷のベナンで活動を続けている。作家の故郷の町の雑多な店先のパノラマ写真がアフリカに行ったことのない人には少し、疑似体験ができたのではないだろうか。

個人的には若いころ、マダガスカルに行ったことがあるので、あの舗装されていない赤土の道がなつかしく感じられた。ガソリンを運ぶ人たちの交通停滞もマダガスカルで体験したカオスを思い出した。日本やヨーロッパでの生活からは想像もできないことだらけだったなぁ。

 

会場は誉田屋源兵衛の黒蔵で外観は町屋に突然くっついている黒い塔のようなもの。中はおそらく漆喰の白壁。昨年、たまたま、誉田屋源兵衛のかたにうかがったことなので記憶が曖昧なのだが、ここは、誉田屋源兵衛が非常に成功していた時代に花火の見物など、遊興のために作られたそうだ。こんなセンスのいい建物を作るのはさすが誉田屋源兵衛だなと思う。

 

螺旋階段を上がっていったさきには、使い古した傘の作品が。ロミュアル・ハズメ氏は日本は花の多いところだと聞いていたが、街を歩いてみると、ほとんど花を見ない。そのかわりに傘が目についたので、その傘を花に見立てて作品を創ったとのこと。

私個人がマダガスカルに行ったときの印象も花はほとんど見なかったんで、ロミュアル・ハズメ氏も日本でたくさんの花を見ることを期待していたんだろうなぁ。

私がマダガスカルに行った時は乾季だったので、もちろん雨も降らず、傘をさしている人もいなかったけれど、もしかしたら傘はアフリカではけっこう珍しいものかもしれない。ヨーロッパやアメリカには傘はあるけど、日本ほど、皆、ささないし、柄のバリエーションも少ない。おそらく、ロミュアル・ハズメ氏には日本の傘は強烈な印象を残したんだろうなと、ふと、思う。

 

ロミュアル・ハズメ氏の作品が見られるロンドンのギャラリーのサイト。ほかにもアフリカ系作家のおもしろい作品が見られる。

http://www.octobergallery.co.uk/artists/hazoume/